恩返し

　 私は介護老人保健施設で働いています。今日の仕事中、入所者の92歳の女性とお話をした中で、ここで私が働く理由がまた一つ見えました。

　その方は92歳というお年でありながら、毎日読書をされているせいか、頭がしっかりされています。お部屋に伺って、血圧などの測定をしながら、お年を尋ねたことをきっかけに、今までご自身が生きてきた時代の変化について語られ始めました。　
　
　日本は戦争を繰り返し行い、子供時代から国旗を振って何度も兵隊を見送ったことや、第二次世界大戦で破れ、物がない時代から頑張って協力しあって復興し、今のような食べ物や物の豊かな国になったと、目を潤ませながら話して下さいました。

　日本の歴史は習って知ってはいますが、目の前にいる人が戦争時代を生き抜いて当時の歴史を語られるのでは、感じるものが違ってきます。

　今、私たち日本人の大多数が、明日の食べ物に困ることなく生きていられるのは、過去の多くの戦争や第二次世界大戦時代を生きた人たちの犠牲や苦労が、戦争放棄の憲法を生み出したおかげなんだなぁ。戦争放棄している今の日本を作ってくれた方々への恩返しの形が私にとっての介護・看護なんだなぁ。そんな風に思い、その方にお話しました。

　その方は「そんな風に思って頂けると、戦争で亡くなった方々も報われると思います。ありがとうございます。」と返して下さいました。

　歴史を知ると沢山の恩恵を先人から受けていることを感じます。「これから、私たちが後世に平和で住みよい世の中を残してあげないといけないな。」と、恥ずかしながら、初めて心から思えるようになりました。

コメント 3

はじめまして、ご苦労様です
大変な仕事ですネ、、頑張って下さい
by の (2008-11-06 16:35) 

　『恩返し』かぁ～。なるほどね。
　今日はじいちゃんの納骨があって、寒かったよ。
　４９日が終わるまではバタバタしているとは、本当で。家族には悲しんでいる余裕なんてないのね。
　でも、米寿のお祝いもし、生きている時に一緒にたくさん出かけては、美味しいものを食べまくったから（笑）。
　私自身としては、突然の死ではあったけど、じいちゃんは大病もせず。家族に全く迷惑をかけることもなく、じいちゃんらしく亡くなったなと。優しいじいちゃんだったな。ありがとうと思ってて。
比較的納得して死を迎えられたと思っているんだ。

こういう言い方は変かもしれないけど。
じいちゃんのように、死にたいとさえ思ったよ。周りの人々も理想的な亡くなり方だと言ってます。

　私は今週から、総合病院で今のところは外来勤務になりました。朝も比較的ゆっくりだし、今のところは毎日定時で帰れているから、このまま余裕を持って、春まで働きたいと思っています。
　働くことは楽しいけど、日々の自分の時間がないのは辛いよね。
　
　cloverさんと同じように看護師をしていますが。
　今の時点で私にとって【看護】というものは、色々な人から【生きる】こととは？と考える機会を与えられていると思うんだな。

　生き方を選択するのは自分自身なんだから、よりよく生きるにはどうしたらいいのかを、自分に照らし合わせて考える機会をたくさんの人から与えられているなとつくづく考えさせられています。

　《明日、突然何かが起こるかもしれない。》
　そう思って、一日一日を大切に生きること。
　大切な人がいて幸せに暮らせることに感謝すること。
　将来がよりよいものとなるように、日々の努力を怠らない　こと。
　
　そう強く思うから。仕事を通して辛く、悲しいこともあるけど、【看護】という仕事を続けているんだと思う。
　時々、嫌になったりもするけどね～。
　
　来年の今ごろは何しているかな。
　多少は貧乏かもしれないけど、楽しく暮らしていたいなぁ～。


by ぶーりん (2008-11-08 17:41) 

　「の」さん、「ぶーりん」さん、コメントありがとうございます。なのに、お返事のコメントも書けず、すみませんでした。

　ぶーりんさんのコメントにありました「生きる」ということを深く考える機会がありまして、なかなかブログに向き合えない日々を過ごしていました。

　コメント頂けると、とても嬉しく、励みになります。今回のご無礼に懲りず、またコメントよろしくお願いします。

by clover (2008-11-25 13:32)